totoのシングルは有効なのか? |
totoプロジェクトでは、totoを購入する場合シングルで購入をする事を推奨しています。
ここでは、本当にシングルは有効なのかを検証したいと思います。
まず本題に入る前に以降の文章を理解するため、確率の基礎を説明します。
多くの方はご存じだと思いますが、確率論には"大数の法則"という法則があります。一言で説明すると「試行を繰り返す事により期待値に近づく」という法則です。
ちょっと言葉では判りにくいので、サイコロを例に説明したいと思います。サイコロの場合、確率は1/6になります。プログラムでサイコロを100回振ってみたのが下記の結果です。
期待値の1/6(16.666・・・%)から離れている事が判ると思います。
「試行回数 100回」
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回数 |
割合 |
1 |
19 |
(19%) |
2 |
20 |
(20%) |
3 |
20 |
(20%) |
4 |
13 |
(13%) |
5 |
11 |
(11%) |
6 |
17 |
(17%) |
|
次に試行回数を思いっきり増やして100万回にしたのが下記の結果です。
確率は見事に期待値の1/6(16.666・・・%)に限りなく近づいています。
「試行回数 100万回」
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回数 |
割合 |
1 |
166,497 |
(16.65%) |
2 |
166,520 |
(16.65%) |
3 |
167,155 |
(16.72%) |
4 |
166,854 |
(16.69%) |
5 |
166,794 |
(16.68%) |
6 |
166,180 |
(16.62%) |
|
このように試行回数を増やしていくと必ず期待値に近づきます。
これをtotoに当てはめると、開催回毎の収支を見ても期待値は得られません。しかし年間を通じた結果など、非常に多くの集計を行えば、正確な期待値を知ることが出来るのです。
さて、ここからが本題です。
totoには2種類の大きな買い方が存在します。"シングル"と"マルチ"です。皆さんはどちらの購入方法が良いか検証された事はあるでしょうか?
最近は公開されていませんが、2001年度と2002年度には、各開催回毎のシングルとマルチの当選本数が公開されていました。そこからtotoの収支率を計算してみました。
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売上比率 |
配当比率 |
収支率 |
|
シングル |
マルチ |
シングル |
マルチ |
シングル |
マルチ |
全て |
2001年度 |
22.49% |
77.51% |
25.68% |
74.32% |
53.64% |
45.05% |
47.00% |
2002年度 |
21.36% |
78.64% |
29.88% |
70.12% |
65.74% |
41.91% |
47.00% |
|
収支率とは100円かけた時に戻ってくる金額です。2002年度では、totoを例えば1000円買った場合、平均ではシングルで657円、マルチで419円戻ってきた事になります。
大数の法則で考えた場合、シングルとマルチの収支率は両方とも47%に近づくはずです。しかし結果は上記で書いたように大きく異なります。シングルの収支率65%は驚くべき値です。
この収支率65%は一体どこから来たのか?2002年度をさらに金額別に解析してみましょう。
1等配当金額 |
配当比率 |
当せん本数比率 |
|
シングル |
マルチ |
シングル |
マルチ |
全て |
29.88% |
70.12% |
14.07% |
85.93% |
100万未満 |
22.96% |
77.04% |
14.05% |
85.95% |
100万〜1000万 |
26.92% |
73.08% |
28.36% |
71.64% |
1000万以上 |
40.28% |
59.72% |
33.88% |
66.12% |
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1等の配当が上がれば、上がるほどシングルの配当比率がが高くなる事が判ります。つまりシングルの収支率の高さは、高額配当が支えています。
これは、2002年だけが特別なのかというと、そうではありません。
理由ですが下の一覧表を見てください。(オフィシャルの公表データより)
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売上金額 |
1等当せん口数 |
1千万以上1等口数 |
|
シングル |
マルチ |
シングル |
マルチ |
シングル |
マルチ |
2001 |
22.50% |
77.50% |
18.10% |
81.90% |
35.60% |
64.40% |
2002 |
21.40% |
78.60% |
9.60% |
90.40% |
33.90% |
66.10% |
2003 |
22.60% |
77.40% |
13.90% |
86.10% |
32.40% |
67.60% |
2004 |
22.80% |
77.20% |
19.10% |
80.90% |
36.50% |
63.50% |
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毎年シングルは売上金額の比率に対して、1千万円以上の1等口数が高い結果を出しています。
(あと毎年マルチは売上金額の比率に対して、1等の当せん口数が高い結果を出しています。)
つまりマルチは低額では沢山当たるが、高額の領域では当たりにくい。その結果、高額領域においてマルチの資金の多くがシングルに供給されている。
マルチがシングルより収支率を良くするには、totoのほとんどの回において順当である必要があります。例えば、毎回1等が100万円、出来れば10万円を下回る結果を出す必要があります・・・
収支率の良さ、高額配当の取得の確率など、様々な事を考慮してもマルチよりシングルの方が、圧倒的に優位です。
今まで数少ないマルチの優位性に、シングルよりマルチの方が買いやすい事がありました。しかし現在はインターネット販売が始まり、この優位性も失われました。マルチでシングルより唯一有利なのは、自分の予想が全て当たったときに1等が得られる事でしょうか・・・
以上のことにより、マルチよりシングルの方が優れていると考えています。
なお上記で説明したようにtotoでは圧倒的に優位ですが、通り総数が少なくなるほど、その優位性は少なくなります。そのためtoto以外では、マルチも選択肢の1つとして有効でしょう。
マルチは、どうしても余分な口を買ってしまうシステム的な問題を含んでいます。マルチで購入するのであれば、出来る限り細分化したマルチを購入すると良いでしょう。細分化するほど、マルチの非効率問題から抜け出すことが出来ます。しかし細分化を進めると、結局最終的にはシングルなります。
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